郊外のトレーラーハウス。
窓の外には荒野が広がり、車の音もほとんどしない。
闇バトルのプロモーションを生業とするMは、今そこにいる。
彼は小さなテーブルに腰掛け、カップラーメンをすすりながら部下に向かって得意げに話していた。
「いやあ、今日もやってやったぜ――」
「どうしたんです、そんなに自慢げに?」
部下は眉をひそめつつ、Mの手元のラーメンに目をやる。
赤い値引きのラベルが貼られたそれは、あきらかに在庫処分品だ。
「いや、あの二人の忍者だよ――舞とマキ。あいつら、普通の腕っぷしじゃないだろ?
それを地下バトルへと引っ張り込むのに、俺のちょっとした話術だけで済んだんだ」
その言葉に部下は思わず、目を丸くする。
「ほんとですか!?よくもまあ、あの二人を……!!
そういやMさん、ガイの居場所を知っていたって話でしたもんね!」
「……おっと、そこは重要な部分だな」
Mは麺をすくい上げた箸を口へと運ぶ前に止め、くすりと笑う。
「……え?」
「実は、な――俺、ガイの居場所なんて知らないんだよ」
それでは、明らかな嘘ではないか。
部下は二人からの報復を恐れてか、思わず息を飲んでいた。
「ええっ!?それで二人を出場させたんですか!?それじゃ――」
しかしMは悪びれる様子もなく、箸を置いて肩をすくめる。
彼は幸運にも、古びた道場で舞とマキとが口論をする場面に出くわしていた。
二人がともにガイを探していたのは紛れもない事実であり、
同じくノ一として言葉を交わすうちに互いの事情を知ることとなる。
そこで元ヤンにありがちな(?)恋愛に奥手なマキを、舞が焚きつけていたのだ。
「舞は純粋な対戦相手として、マキはぶっちゃけ片思いの相手だ。
――要するに‘ガイの話’ってのは、ただの餌さ。
心理戦を仕掛けるのに、真実なんて必要ないんだよ」
部下は目を丸くしたまま、ため息をつく。
「でも、さすがにそれは……」
「フッ。二人の忍魂を燃やすには、多少の小細工も必要ってことさ。
だいいち放っておいてもひと悶着ありそうだったんだ。金になるだけマシだろう」
Mは満足げにカップラーメンのスープをすする。
「怒りも焦りも、全部‘燃料’だ。俺の策に引っかかったとしても……
結果的に楽しんでくれるんだから、文句はないだろ?
それから後は、いつものように逃げるだけさ」
部下はあきれ顔でメモ帳に書き込みながら、同時に納得せざるを得ない表情だ。
「……なるほど、Mさんの策略ってそういうことですか」
Mは答える代わりに箸を置き、目を細めて窓の外を見やる。
薄曇りの空に軽い笑みを浮かべながら、次の計略を思い描いていた。
「さて、今日も派手にやらかしてくれるといいんだけどね……」
■収録内容:基本CG24枚・差分込み合計92枚収録
(※差分対応にて着衣やダメージ表現の有無を切り替え可能です)
■参考解像度:XGA準拠(モニタ閲覧サイズ)
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