【小説・ノベル】
主人公・三鷹悠真(みたか ゆうま)は私立の進学校に通う18歳である。
3ヶ月前、悠真は意を決してある女性に告白をする。
その女性は大月琴葉(おおつき ことは)。
悠真とはクラスメイトで、クラス委員長をやっており『学園一の優等生』として有名だった。
悠真は真面目で誰にでも優しい、そんな彼女が好きだった。
告白の方は見事に成功。カレカノになったのだった。
しかし、付き合っていくうちに恋人としては物足りないところが出てきた。
実は3ヶ月経った今も手すら繋いでくれないのだ。当然、ハグやキスなんかもなし。
恋人らしいことは一つもさせてもらってない。せいぜいがデートと称して、一緒に歩くくらいなものだった。
彼女の持論は、「学生のうちは節度を持ったお付き合いをしないとね」というものだった。
ある日、友人に相談してみようと思った。そいつも最近彼女ができたばっかりである。
でも聞いてみると、彼女とはもう最後までいってしまったとのこと。「それが普通だろう」と友人は言う。
その後、悠真は現況を話してみる。友人の反応は予想通りだった。
いろんなことでショックを受けた悠真は、その日は一人で帰ることにした。
しかし、そこで見たのは男性と手を繋いで歩く琴葉だった。
おそらく兄だろうと予想はついたが、もうそんなことはどうでもよかった。
仮にこれから付き合い続けても、あんな風に琴葉と手を繋いで歩くことすらできない。その事実をキツく感じていた。
ならいっそ、琴葉のことを諦めた方がいいのかもしれない。
そう思った時、悠真は『別れよう』と短いメッセージを琴葉に送ったのだった。
翌日、当然のように琴葉が理由を求めてくる。
悠真は「今まで我慢してきたけど、もうできない。だから琴葉とは付き合えない」と伝えて終わったつもりだった。
でも、その放課後にもう一度琴葉に声をかけられる。「最後に時間がほしいと」
悠真は承諾すると、ある部室に連れてこられた。そこは琴葉の入っている部活の部室だった。
琴葉はその部屋に入った理由を2つ言った。1つは今日は誰も来ないこと。もう1つは自分が鍵をかけられること。
そう説明すると琴葉はガチャリと鍵を閉めた。
鍵を閉めた理由を悠真が問うと、琴葉はこう答えた。
「悠真くんがわたしとしたがっていたことをしようかなって」
そう言って服を脱ごうとする琴葉を説得しようとするも反論にあってしまう。
「悠真くんが悪いんだからね?学生の間は節度ある付き合いをしないとタガが外れちゃうって思ったから我慢してたのに、別れようだなんて。それなら、もう我慢しなくていいよね?」
そう、琴葉は逆の‘我慢’をしていたのだった。
「私のことを好きにしていいよ。その代わり悠真くんを好きにさせてもらうから」
その時の琴葉は完全に獲物を捕らえた獣の表情をしていた。そしてこう言って悠真を襲うのだった。
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