現代に生きる悪魔が、魂を売って夫を蘇生させた未亡人を堕として自分の所有物にした上で、生き返った夫もその手で堕とさせてしまう話。
文字数は約15,000文字。
「うそ……、うそよ! そんなの、うそ!」
自分が夫のことを何も思い出せなくなっていると気付いたリーズは、頭を押さえてうずくまる。
ラドゥはそんな彼女の姿を、まるでパニックを起こして走り回るモルモットでも眺めるような目で見つめながら、さらに言った。
「なら、旦那の名前は?」
「……っ!」
リーズは脂汗を浮かべ、がちがちと歯を鳴らして、必死に記憶を探った。
出てこない。
かつて愛し合い、永遠の愛を誓い合ったはずのその人の名前さえ、どうしても。
「う、あ、ああぁ……」
リーズは絶望の声を上げて、その場にへたり込んだ。
涙が溢れ出し、止まらなくなる。
リーズは●●のように泣きじゃくりながら、ラドゥにすがり付いた。
「お願い、助けて……。私を、元に戻してください! 何でもあげます! 何でもしますから! どうか……っ!」
「おいおい、何を言ってるんだ」
ラドゥは苦笑しながら、リーズの頭をがしりと掴むと、その顔を覗き込んだ。
「お前は俺に、とっくにすべてを売ったろう? 契約したじゃないか、魂を寄越すと」
・
・
・
「り、リーズ……」
男は思わず、妻であるその女性の名を呼んでいた。
だが、かつてのような甘い響きはない。
そこにはただ、哀れな犠牲者の声があるだけだ。
「気安く名前を呼ばないでくれる?」
リーズは冷笑を浮かべて、かつて夫だった男を見下ろした。
全裸で床に転がされている彼の、剥き出しの股間が惨めにいきり立っているのを見て、軽蔑したように鼻を鳴らす。
「あら、発情してるのね。あなたにはもう、私に指一本触れる権利もないっていうのに」
無駄にいきり立たせてあさましいと、そう嘲りながら。
彼に向けたのとは一転した熱っぽく蕩けた妖艶な笑みを浮かべ、背後に控えていたラドゥの体に抱きつくと、リーズはいやらしく腰をくねらせた。
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